「コンテナの車窓」
コンテナとは、中にものをいれるための容器のこと。貨物輸送用のコンテナは、様々な荷物を中に入れて、海を渡り、世界各国いろんな場所に到着し、また中身を入れ替えて他の場所へと旅立っていきます。荷物にとってコンテナとは、私たちが普段乗り慣れている乗り物に近い存在なのかもしれません。バーチャルリアリティー技術を用いた空間やインタフェースを研究している東京大学廣瀬・谷川研究室は、この 輸送用コンテナを新しい乗り物に見立て、新しい空間を作り出しました。
コンテナの中に入ると、車窓にはいろんな風景が現れ、様々なスピードで通り過ぎていきます。なかには懐かしい風景が登場するかもしれません。また真っ暗な空間で移動する景色を体感することで、本来持っている時間の感覚を揺るがされることもあるでしょう。空間自体の大きさにもちょっとした仕掛けがしてあります。五感を研ぎ澄ませて、この不思議な乗り物を、ぜひ体験してみてください。
(words by 鈴木康広)